2023年10月8日、全国統一でケアマネージャーの筆記試験日です。
私の友人も試験に挑戦する方がいます。
応援しています!!
実はケアマネージャーになるための道のりは意外と長く、少し険しい。
ケアマネの仕事は お年寄りの生活を支えることのできるやりがいのある仕事です。
そしてその仕事内容は 専門的な知識や対人援助の技術が必要ですので、
ケアマネの質を下げないためにこのような資格の構造をしているのだそうです。
ケアマネになるまでの道のり
写真の山ほど険しいかどうかはさておき、
思った以上に長い年月が必要になることは確かです。
ざっくりとご紹介すると 都道府県ごとに微差はありますがこんな流れになります。
- 満たすべき要件をクリアして初めて受験できる(受験資格)
- 全60問マークシート方式、毎年合格率は10~20%
- 合格者は長時間の実務研修を受けて初めてケアマネとして登録できる
ひとつずつ詳しく説明します。
満たすべき要件をクリアして初めて受験できる(受験資格)
ケアマネの受験要件は2018年に少し狭くなったようですが、
2023年の現在では、特定の職種において5年以上かつ900日以上の実務実績が必要になります。
その特定の職種というのは、医療・介護にかかわる国家資格が必要な職種、または相談援助業務の職種の2パターンがあります。
具体的な国家資格には、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士が該当します。
相談援助業務の職種は、「生活相談員」「支援相談員」「相談支援専門員」「主任相談支援員」などです。分かりにくいのでどういう方なのかというと、介護老人保健施設や計画相談支援、障がい児相談支援における相談支援専門員、生活困窮者自立相談支援事業などにおいて主任相談支援員として業務に従事する人たちを指します。
私の場合は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を保有し、その資格を使って業務に従事していた期間が5年以上となり受験資格をクリアすることができました。
一発合格する自信はなかったので できれば職場には内緒で受験したかったのですが、実務経験証明書の発行が必要だったので内緒にすることは無理でした。
実務経験証明書(実務経験見込み証明書)の発行はお早めに!
職場に頼んで発行してもらわなければなりませんし、数日かかる場合もあります。
また転職をしている場合、複数枚の証明書を合算して実務経験を計算することもできます。
パートやアルバイトでの実務経験も認められています。
※産前・産後休暇は実務期間に含めてもOKだが、育児・介護休暇は認められないので注意!
全60問マークシート方式、毎年合格率は10~20%
ケアマネージャー試験は、実は各都道府県によって違うテストを受けます。
全60問、5つの選択肢から選ぶマークシート方式を採用しているところがほとんどで、難易度や合格ラインが各都道府県で違うといったことも言われますが、その後に実務研修を受けなければならないことを考えると 住んでいる地域以外で受けることはおすすめできません。
合格率10~20%というと、他の介護職や福祉関係の資格の中でも低いです。
その原因としては、普段医療の分野で働く人にとっては 介護支援分野や介護保険の内容が難しく
相談援助業務をしている人にとっては 医療に関する分野が難しく感じるからではないでしょうか。
また働きながら受験勉強をしている人が多く、普段の業務とは違う分野の内容も含めて勉強しなければならないので このような合格率の推移をしているのだと思います。
とにかく過去問をしっかり解こう!!
私から言えるアドバイスはこれだけです。
受験のノウハウや勉強の要点を押さえたサイトやYouTubeはたくさんあると思うのですが
共通して指導者の方が言っているのは過去問をしなさい、ということです。
分厚いテキスト内容をすべて覚えようとすると必ず心が折れます・・・
このような過去問を何度も繰り返す、などの勉強法が合格への近道ですね。
合格者は長い実務研修を受けて初めてケアマネとして登録できる
試験に見事合格すると 実務研修の案内が各都道府県の研修機関から届きます。
知らないでその内容を見ると びっくりすると思います。
12~2月の間に行われることが多く、実務研修は85~90時間程度の講義・演習と、居宅介護支援事業所での2~3日間の実習で構成される研修です。
コロナ禍を経て 一部の受講をオンラインでできるようになった都道府県も多いです。
研修費やテキスト購入もあり、全15日に及んだ実務研修期間の移動費もかかりました。
オンラインでできる部分が増えてくれたことは これからの受講者にとっては本当にありがたいことです。
↓使ったテキストです
下巻ですね 上巻どこいった?笑
このように分厚いテキストを2冊購入しました。
↓私が受講したときの 実務研修日程です。
この内容のどこまでがオンラインになったのか興味あります。
今年度の合格者さんぜひ教えてください!
平日のコースか、土日のコースか選択できたのは 働きながら資格を取得する方にとっては助かります。
各都道府県、その年度によって実務講習の内容や日程は変わりますので、参考までにご紹介しました。
合格後の実務研修の案内が届くのを楽しみにしていてください。
そして居宅介護支援事業所での実務の研修ですが、だいたいの地域の希望を出したら研修期間が事業所を選定してくれて指定の時間に研修に行きました。
先輩ケアマネの一日の行動について回り、各項目の学びを記録していきます。
私の指導をしてくださったケアマネさんは本当に素敵な人で、こんなケアマネさんになりたいな・・・なんて彼女の仕事ぶりに感動したことを覚えています。
短い期間の研修でしたが、ケアマネの仕事のイメージをつかむことができました。
実務開始後は5年ごとに更新研修を受けなければならない
実務研修の受講を終えるとケアマネージャーとしての登録ができるようになります。
登録をしてもすぐには実務に就くことができません。
登録後に交付申請をして介護支援専門員証を交付されてはじめてケアマネ業務ができます。
この交付までにはおよそ1か月を要します。
介護支援専門員資格登録簿への登録は、実務研修修了後3か月以内に行う必要があり、忘れると実務研修の修了が無効となります。
介護支援専門員資格登録簿に登録があれば、登録から5年間はいつでも介護支援専門員証の交付申請が行えます。
つまり実務研修を終えて登録をしてから5年間は交付申請をする猶予があります。
というのも、5年を過ぎると実務研修を終えていても再研修という形で、もう一度研修をしなければ介護支援専門員証の交付ができません。
ここまでの話で気づいた方も多いと思うのですが
実際にケアマネージャーとして働く気がなく、なんとなくスキルアップのために資格を取得する目的では なかなかここまでの時間やお金をかけるのは難しいような気がします。
私の職場でも「ケアマネ持ってるけど使っていない」と話す人がいますが、多くの方は合格だけして研修を受けていないか、研修→登録まではしてその後は放置しているかのどちらかのパターンが多いと思います。
ケアマネの資格でできること
- ケアマネの資格があればケアプランを作成できる
- 実務開始後は5年ごとに更新研修を受けなければならない
- 5年以上の実務経験を経て主任ケアマネの資格を取得すれば自分で居宅介護支援事業所を立ち上げることもできる
超高齢化の今の日本社会において、介護保険の中心的な調整役を担うケアマネージャーは多くの現場で必要とされています。
転職サイトなどでケアマネと検索すれば多くの転職先があります。
ケアプランの作成については、ほぼ独占業務であると言えるのでとてもニーズの高い資格だと思います。
ケアマネの資格があればケアプランを作成できる
ケアプランとは、介護保険のサービスを利用するにあたってその人に合ったサービスや内容を決めていく計画のことです 基本的にケアプランがなければ介護保険を使ってのサービスを受けることはできません。
そのケアプランを作成するのがケアマネージャーになります。
セルフプランといってご自分で計画を立てることもできたり、予防給付(要支援者)のプランにおいてはケアマネ以外の人が計画を作成することもありますが、ほとんどの場合ケアマネージャーが計画を作り、各事業所へ連絡調整をし、サービスの利用開始へつなげます。
ではケアプランの作成が必要な現場、つまりケアマネが活躍する職場はどのようなところがあるかというと、大きく2つに分けられます。
1.居宅ケアマネージャー・・・ご自宅で生活するお年寄りや、施設でも自宅の扱いとなる場合においてのケアプランを作成します 介護保険以外のサービスとの調整なども一緒に行います
2. 施設ケアマネージャー・・・施設に入所している方のケアプランを作成します 介護職員としての業務を兼任する場合も多いです
ケアプランの作成には専門知識が必要なので、ほぼ独占業務といえるでしょう。
AIが登場して仕事がなくなるなんていう噂がありますが、ケアマネの仕事はなくなりません。
実務を経験している人はわかると思います。個々のニーズやサービス内容に対する注文は本当に様々で細かく、そこには生きた感情があり、人と人の信頼が大切なのです。
ですがケアマネの業務は幅広く、お年寄りが増えており仕事量も膨大なので、AIケアマネージャーが活躍する未来がくることは私としては賛成です。
たとえば全く人と関わりたくない、自分の経歴やからだの話を他人にしたくないといった方がポチポチとスマホで自分でケアプラン作成・・・という選択肢ができるのも良いと思います。
少し話がそれましたが、
相談援助業務、つまり他人の困りごとを解決してあげることにやりがいを感じられる方に向いている職業です。
実務開始後は5年ごとに更新研修を受けなければならない
ケアマネの仕事を続けるには運転免許のように更新が必要になります。
登録・交付申請をして介護支援専門員証が発行されてから5年ごとに更新研修を受ける必要があります。
所定の研修を5年以内に受けて、更新の手続きをしておく、といったイメージです。
初めに受ける実務研修よりは短いですが、これも長いです。
またこれについては詳しくお話する機会を作ろうと思います。
5年以上の実務経験を経て主任ケアマネの資格を取得すれば自分で居宅介護支援事業所を立ち上げることもできる
指定居宅介護支援事業所には、主任ケアマネージャーを必ず1名配置することが義務付けられています。
主任ケアマネの資格は実務経験5年以上のケアマネージャーが取得することができる資格です。
つまり、ケアマネ業務開始後の最初の資格更新をして、かつ主任ケアマネの講習も受ければ独立することが可能だということです。
受験資格の取得から、ケアマネとして独立するまでには最短でも10年以上かかるということですね。実際には、テスト実施日や講習実施日がうまく経験日数の計算日と重なるとは限りませんから10年は厳しいと思います。
まとめ
ケアマネになるための道のりについて理解していただけたでしょうか。
いろいろなケアマネージャーさんがいらっしゃいますが、全員このような道のりを経て ケアマネージャーとして働いているということです。
介護の分野にある資格の中でも こんなに研修や資格の更新が必要なものがほかにあるでしょうか、いやない。
この講習のあり方については多くの議論が上がっています。
ですがケアマネの専門性や技術や質の確保のためには必要だ、というのが現在の考え方らしいです。
この度のコロナ禍において 座学の講習だけでもオンライン化が進んだことは大きな進歩だと思います。
ケアマネの仕事はやりがいのある仕事です。
資格取得後も 仕事をしながら学んでいくことが多くあります。
ケアマネになりたい、と思ってもこの研修体系や費用、かかる時間のことを知って諦める人も多いんじゃないかなと思います。
以上、ケアマネージャー試験についての紹介でした。
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